漫筆
永田町
その六十
「春の便り」

 春といえば、花ひらく季節。色とりどりの花びらが勢いよく咲き乱れる風景は、歳をとっても、卒業、入学、就職など、旅立ちや出会いの記憶を鮮明に蘇らせてくれます。世の社会人の忙しさは相も変わらずですが、淡い記憶を思い起こし、懐かしみ、ゆっくりと春風を感じる時間をもつことも大切かもしれません。

 2008年度は初頭から、沢山の春の便りが届いています。食品等の一斉値上げや、75歳以上の高齢者の年金から保険料を天引きする「後期高齢者医療制度」の開始など、気の重い便りもありますが、一方で、4月1日をもってついに暫定税率が廃止となり、ガソリンにかかっている揮発油税や地方道路税、自動車購入時の取得税、軽油購入時の軽油引取税など、あらゆるところで負担軽減がされました。特に、自動車が生活必需品となっている地方にとっても、さらには経済全体にとっても、あらゆる面でプラス効果があり、非常に意義のあることです。

 さらにもう1つ、大切な春の便りがあります。TVや紙面を騒がしている「ねんきん特別便」が、4月から、被保険者である国民全員に対して発送開始となりました。
 実は、この特別便、昨年の12月から特に「記録訂正の可能性が高い方」1030万人には年度内にすでに送付がされています。従って、今年の3月31日にまでに特別便が届いた方は、自分の記録に間違いがある前提で見直し、その通知を返送しなくてはなりません。...が、現状はかんばしくありません。最大の問題点は、社会保険庁の不徹底な周知のため、特別便を受け取った方がそれからどうすればいいか分からなくなっていることです。近くの社会保険事務所を訪れても、5〜6時間待たされることはざら。「ねんきん特別専用ダイヤル」に連絡をしてもなかなかつながらないのが現状です。結果として、いまだ多くの方が、本来もらえるはずの年金支給額を受け取れる状況にいないのです。
 民主党は、厚生労働委員会や非公式の「部会」と呼ばれる場を通して、「名寄せをし、『補正に結びつく可能性が高い』記録があれば、加入期間・事業所名などの情報を1人1人に同封して送るべき」、さらに、「社会保険庁側から、自主的に、記録の持ち主に電話をして確認作業をすべきだ」と問題の最大要因である「申請主義」を改めるよう、しつこいぐらいに要望してきました。社会保険庁が対応マニュアルを大きく変更し、特別便の送付方法を改め、問い合わせがあった場合に、抜けた記録の詳細情報を教えるようになったのは、まさにその結果なのです。
 政府の杜撰な管理、問題発覚後の対応の悪さは目に余るものがありますが、私たちが最後まで諦めずに、本来の記録を取り戻そうと行動することが、失政を正す最も大きな力になると思います。是非、届いた特別便に入念に目を通し、「ねんきん特別専用ダイヤル」への問い合わせだけでもしてみましょう。記録訂正の希望はまだ残っているはずです。

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