漫筆(まんぴつ)とは、その時どきの気分次第で、とりとめのないことを気楽に書いた文章を言います。
法律のできるまで
今回は唯一の立法機関である国会で、私たちの暮らしに密接に関わる法律が、どのようにしてできるのか?ということを簡単に説明してみることにします。
日本の国会はアメリカ議会などに倣って、議員自らが法律案を作り国会へ提出して、その法案を議員自らが成立させることが期待されています。そのために、衆参両院にそれぞれ独立した法制局や委員会ごとの専門の調査室が設置されています。さらに政党ごとに多くのスタッフを抱えて政策調査会を設置しているとともに、各議員にも政策担当秘書1名が国会から付されています。
しかし国会の現状はどうでしょうか。官僚が法律案を作って、内閣提出法案として国会へ提出されるものが圧倒的多数となっていて、議員自らが立法するのは、もっぱら野党の方、というのが実際のところです。というのも与党が議員立法する場合は、野党との事前折衝をベースにした与野党の共同提案という形がほとんどということもあります。 今年1月に召集された159回通常国会を例にすれば、内閣提出法案127法案、参議院提出の議員立法24法案、衆議院提出の議員立法59法案となっており、その他にも予算や条約、承認案件、決算その他がありますが、衆参議員立法の大多数は民主党の提出法案となっています。
それでは、実際にそれぞれの法案が国会へ提出されるまでに、議員や党の政調スタッフ等がどのように関わるかといえば、内閣提出法案では与党内協議の場で多少の意見が出されるものの、官僚作成の原案が概ね法案化される場合がほとんどです。一方の議員提出法案では民主党を例に取れば、NC(ネクストキャビネット)部門の法案化作業を担当するWT(ワーキングチーム)で、議員や党の政調スタッフ、政策秘書などが喧々諤々の議論の末、議院調査室や法制局のアドバイスを受けて法制化することになります。特に民主党では内閣提出法案に反対する場合、原則的に対案を示すことになっているで、霞ヶ関の巨大な官僚組織を向こうに回しての対案の法制化作業は、結構大変な仕事になります。
折角苦労の末提出した法案も国会の原理原則は多数決なので、野党提出の議員立法がそのまま法律として成立することは、なかなか難しいことです。しかし対案を提出することによって、内閣提出法案を修正したり、党の独自法案を法制化することを梃子に与党との粘り強い交渉によって与野党共同提出法案として成立させたり、という効果は十分に発揮することができています。ですからこれまでの議員立法提出の実績だけを見れば、民主党も政策立案や立法能力では、政権交代の準備が十分整っていると言えるかもしれません。
民主党も昨年秋の衆議院選挙と本年7月の参議院選挙で大きく議席を伸ばし、いよいよ政権交代が現実のものとなるところまで来ました。現状の官僚の官僚のための法律案提出から、額に汗して働く普通の市民のための法律を議員自らが立法して、国会で成立させる日が一刻も早く来るように、これからも池口修次議員ともども民主党へのご支援をよろしくお願いいたします。
(政策担当…くまがい)
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