漫筆(まんぴつ)とは、その時どきの気分次第で、とりとめのないことを気楽に書いた文章を言います。
「 議院運営委員会、国会対策委員会とは?」
猛残暑に始まり、一度は急激に冷え込み、また和らいだと思えば、とうとう本格的な冬の気配を感じるようになりました。街を行く人々の肩も一様にちぢこまり、見ている方もつい上着に顔をうずめてしまいます。
忙しなく移り変わる季節と同様に、参議院では与野党逆転となった参院選後の国会も、年末年始に向けて忙しない状況となっています。今回は、特にその中でも忙しく動くこととなった、議院運営委員会と国会対策委員会について触れてみたいと思います。議院運営委員会(以後、議運)、国会対策委員会(以後、国対)という言葉を新聞の政治面等でみかけることがあるかと思います。テレビでも、「○○党国会対策委員長は本日午後...」などたびたび出てきます。議運や国対って一体何なんだろうと思った方、あるいはあまり気にも留めなかった方も少なくないかもしれません。しかし実は、この2つの委員会は国会運営の両輪であると同時に、法案審議の進行を双肩に担う委員会といえるのです。以下、勝手気ままに説明させていただきたく...。
まずは議運について。これは衆参両「院」にそれぞれ設置されている常任委員会で、提出されたすべての法案は、一旦この議運にかけられます。沢山の法案を一度に審議することは不可能ですので、議運で審議する法案の順番を決めていきます。その際、特に与野党の合意を得ることが困難な法案については、理事間で何度も何度も協議を行ない、重要法案として、特に慎重な審議を必要とすべきとするなど、審議における法案の取扱いについても決定します。当然、各院の第一党が優位性をもつので、その意に反する法案はなかなか審議をされず、逆に、同党の法案は優先的に審議されやすくなります。参議院選挙前は、衆参ともに自公が過半数を占めていたので、政府・与党法案は次々に審議にかけられ、逆に野党提出の法案は審議さえされずに廃案となったものも多くありました。安倍前総理が強気に強行採決を連発できたのも、与党が、衆参両院の議運で委員長ポストと委員の過半数を占めていたことが大きかったといえるでしょう。
さて、各院の法案審議を調整するのが議運なら、国対とは何をしているところなのでしょうか?まず、議運が国会法で規定された常任委員会であるのに対し、国対は各「政党」に置かれた、ある種非公式な機関といえます。文字通り、「国会」において他党の出方への「対策」を練るための機関で、法案の取り扱いや本会議の日程に限らず、国会に関するあらゆる事案に関して、形式よりも実質的な部分を司り、他党の国対と交渉・調整をする役割を担います。非公式であるがゆえに、「何か裏取引ばっかりしているのでは?」などとダーティーなイメージがあるかもしれませんが、あくまで本音をぶつけ合う場であって、国会の停滞を避けるためには欠かせない重要な交渉テーブルとなっています。
分かりやすく例えるなら、議運と国対はコインの表と裏、飛行機でいえばパイロットと管制官、野球ならピッチャーとキャッチャーという感じでしょうか。裏の国対で基本的な方向性を調整し、それを表の議運でより詳細に詰めた上で、国会審議の軌道に乗せていく、そんな表裏一体の関係であるといえます。
ねじれた状態で、10月から本格的に始まった第168回臨時国会も、新テロ特措法案や防衛省の口利き疑惑、年金の記録問題を中心に、あらゆる国会審議をめぐって議運や各党国対間での調整は一層慌しくなりました。しかしこれは、民主党が参議院で第一党となったことで、与野党間において双方向での協議が増えてきた証ともいえます。
各委員会・本会議の審議が基本であることはいうまでもありませんが、今後は、議運と国対、この2委員会の動きもぜひ注目してみてください!
実は今国会より、いけぐち修次は参議院議運の理事、民主党参議院国対の委員長代理という大変重要な役職を拝任いたしました。議運・国対の要職を兼務するというのは非常に珍しくあると同時に、現在のねじれ国会においては大変忙しい立場にあります。反対のための反対ではなく、民主党が国民の皆さんに約束した「生活第一」の審議を着実に進めるために、今は日夜、国会中を東奔西走しています。引き続きのご支援を、何卒、よろしくお願いいたします。
(政策担当・・・長谷)
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