漫筆(まんぴつ)とは、その時どきの気分次第で、とりとめのないことを気楽に書いた文章を言います。
解散
いよいよ衆議院が解散されそうです。解散となると憲法54条により、40日以内に衆議院議員選挙が行われることになりますが、皆さん既に新聞報道等で10月28日公示、11月9日投票の日程が事実上、決定したことを知っていると思います。
今回は、衆議院の解散について書いてみたいと思います。解散は衆議院にだけあり、それによって衆議院議員の任期を強制的に終了させること(国会開会中であれば閉会になる)が、法律上の意味になります。解散になると国会で審議中の法案は、審議が終了していないと審議未了で廃案となります。ですから今国会のテロ特措法延長のように、内閣がどうしても成立させたい法案があれば、成立まで解散を延ばすことになるのです。永田町では、解散のことを『紫の袱紗(ふくさ)が出た』とも言ったりします。
衆議院の解散には憲法7条によるものと69条によるものの、2通りがあります。憲法7条は『天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。(略)3、衆議院を解散すること。(略)』とあり、69条は『内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。』とあります。いずれにしても天皇陛下の名のもとに、時の総理が解散を決断して行われることになります。
さて今回の解散というと、憲法7条による解散です。どのような手順で進められるかというと、まず総理が全閣僚の同意を取り付け、署名をさせます。この全閣僚の署名(内閣の助言)を受けて、天皇陛下が解散の詔書を出します。詔書が出されると内閣参事官が皇居に出向いて受け取り、官房長官へ渡します。次に官房長官が、紫の袱紗に包まれた詔書を衆議院本会議で衆議院議長に渡すことになります。
そして、いよいよ天皇陛下の名のもと、議長によって『日本国憲法第7条により衆議院を解散する』と宣言されると、議場のあちこちから万歳の声が聞かれることとなるのです。
何で万歳するのかということですが、これには『自分を励まし、選挙で勝って必ず帰って来るぞ』と気合を入れているという見方が有力な説になっていますが…。本当のところはどうなのでしょうか?
10月9日記
※解散の前日にUPする予定で、原稿を書いていたのですが、衆議院選挙の前哨戦といわれた参議院補欠選挙に専従派遣されていたので、今になってしまいました。遅れたことに心よりお詫び申し上げます。
(政策担当…くまがい)
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